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診査診断に必要な基本知識【ホワイトニング】セミナーが行われました

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【診査診断に必要な基本知識【ホワイトニング】セミナーが行われました 】


ORTC onlineでは様々な歯科診療項目のセミナー動画の配信が行われております。
今回ご紹介させていただくセミナー動画は、ホワイトニングサロンBeaute 神戸元町DC院長、美容口腔管理学会総務幹事、ディプロメイトの中井宏昌先生よりホワイトニングに関するお話しです。

このセミナーから「エナメル質表面からの経路」「血行性経路由来の着色・変色」「診査診断のための知識」「その他の診査診断」の4項目を理解することができます。


エナメル質表面からの経路


エナメル質表面からの経路で歯牙が着色・変色することがあります。それらの原因は以下の3つが考えられます。


✔︎ エナメル質表面の着色

飲食物による着色、プラーク付着や色素形成菌群によるもの


✔︎ う蝕による変色

初期時白斑(ホワイトスポットと呼ばれることもある。白斑は生まれつきのものもある。) 褐色化


✔︎ 薬剤

ヨード系・クロルヘキシジン系の洗口剤を頻回に使用している場合歯牙が変色することがある。


その他、アマルガムや銀合金などによる修復物による着色・変色も考えられます。



血行性経路由来の着色・変色


血行性経路由来の着色・変色は以下の4つが考えられます。患者さまに説明できるようにしましょう。

✔︎ 加齢による変色

加齢とともに第二象牙質の添加などで歯牙に黄色味が増加することがある。


✔︎ 歯髄の変性、失活による変色、歯内療法薬による変色

失活歯は時間とともにグレーのような色に変色することがある。


✔︎ 薬物による変色

テトラサイクリン系の薬剤を服用していると歯牙の色が変色することがある。


✔︎ 白濁化 ホワイトスポット

斑状歯、白濁、エナメル質減形成、低石灰化、脱灰部等



ホワイトニングの診査診断のための知識


患者さまがホワイトニングを希望される際は、以下の項目を患者さまと一緒に確認しましょう。

✔︎ 年齢…年齢によってはホワイトニングの効果をすぐに実感いただけない場合があるため
✔︎ 頻繁に摂取する飲食物について…コーヒーや紅茶などを頻繁に摂取していたらホワイトニング後も色を保つことができない可能性があるため
✔︎ 喫煙などの既往について
✔︎ 歯牙の色調…



また、以下の項目はレントゲンや口腔内写真などから歯科医療従事者が把握していなければならない項目です。

✔︎ ホワイトスポット、バンディングの有無
✔︎ テトラサイクリン歯の有無
✔︎ 歯髄の生死の有無


ホワイトニングのその他の診査・診断について

以下4つはホワイトニング後、患者さまとトラブルを起こさないために特に重要になる項目です。説明を丁寧に行い、患者さまから同意を得られるまでしっかり伝えるようにしましょう。

✔︎ 治療が完了しているかどうか
✔︎ カリエスの有無、重篤な歯周病がないかどうか
✔︎ エナメルクラック、レジン充填の範囲
✔︎ 修復物、補綴物の有無


ホワイトニングの基礎知識【まとめ】

ホワイトニングは患者さまが特に「美しくなりたい」という希望を持って、施術を受けられます。患者さまの期待を裏切ることがないよう、カウンセリングを丁寧にし、漏れなく説明を行うことが大切です。



患者さまがホワイトニングをする理由はいくつかあります。

  1. 美しさの追求:ホワイトニングは、歯の着色や黄ばみを軽減し、より白く明るい歯を得ることができる方法です。白い歯は美しさや若々しさの象徴とされ、多くの人々がより魅力的な笑顔を手に入れるためにホワイトニングを選択します。

  2. 自信の向上:歯の色素沈着や変色は、多くの人にとって自信の低下や恥ずかしさの原因となります。ホワイトニングを受けることで、歯の色を改善することができ、自信を取り戻すことができます。

  3. 特別なイベントや重要な場面:結婚式、面接、就職活動など、特別なイベントや重要な場面では、より良い印象を与えるためにホワイトニングを行う人が多くいます。明るく白い歯は清潔感や健康なイメージを与えることができるため、特別な場合にはホワイトニングが求められることがあります。

  4. 歯科治療の補完:ホワイトニングは、歯科治療の補完として行われることもあります。例えば、歯冠や詰め物を入れる前にホワイトニングを行い、歯全体の色調を均一にすることがあります。また、矯正治療の前後にもホワイトニングが行われることがあります。

ただし、ホワイトニングは必ずしもすべての人に適しているわけではありません。歯の健康状態や歯の色によっては、ホワイトニングの効果が限定的であったり、適用できない場合もあります。診断が重要です。



ホワイトニングのシェードとは?


ホワイトニングのシェードは、歯の色調や明るさを表す目安として使用される尺度です。シェードガイドと呼ばれる専用のカラーチャートを使用し、歯科医師や歯科衛生士が患者の歯の色を評価する際に参考にします。

シェードガイドには通常、A1からD4までのコードがあります。各コードは特定の色調と明るさを表しており、以下に一般的なシェードの範囲を示します。

歯科医師は、患者の歯の現在のシェードを評価し、ホワイトニング治療の目標とするシェードを決定する際にシェードガイドを使用します。治療の進行や結果の評価においても、シェードガイドを使用して比較することがあります。

ただし、シェードはあくまで目安であり、個人の歯の色や特性によって異なる場合があります。専門的な評価が必要です。



失活歯とホワイトニング

失活歯(デッドトゥース)は、神経が死んでいるかまたは機能しなくなった歯のことを指します。このような歯は一般的に変色し、灰色や暗い色合いを示すことがあります。失活歯のホワイトニングは、そのような変色を改善するための治療法の一つですが、全てのケースで効果的とは限りません。

失活歯のホワイトニングにはいくつかの方法がありますが、以下に代表的な二つの方法を説明します。

  1. 外部ホワイトニング(エキストラナルホワイトニング):この方法では、歯の外部から行われるホワイトニング処置です。一般的な外部ホワイトニングの手法は、専用のホワイトニングジェルを歯の表面に塗布し、それを特殊な光や、LED、レーザーで活性化する方法です。この処置により、歯の色素沈着を軽減し、白さを取り戻すことが期待されます。ただし、失活歯は内部から変色しているため、外部ホワイトニングだけでは効果が限定的な場合があります。
  2. 内部ホワイトニング(インターナルホワイトニング):失活歯に対するより効果的なホワイトニング方法として、内部から行われる内部ホワイトニングがあります。この処置では、歯の中に特殊なホワイトニング剤を導入し、変色した歯の内部の色素を除去することを目指します。まず、歯の神経が取り除かれた後、歯の内部にホワイトニング剤を挿入します。その後、一定期間そのままにし、変色を改善するために何度か繰り返す場合もあります。内部ホワイトニングは、歯の外部からのアプローチよりも効果が高い場合がありますが、治療後の色安定性には注意が必要です。


失活歯のホワイトニングは、個人の状況によって結果が異なる場合があります。歯科医師の診断とカウンセリングを受け、最適なホワイトニング方法を選択することが重要です。また、失活歯に対してホワイトニングが適切でない場合、他の治療オプション(例:クラウンやベニアなど)が検討されることもあります。



失活歯とホワイトニングをより詳しく

失活歯の内部ホワイトニングは、歯の内部にホワイトニング剤を適用して変色を改善する治療法です。以下に、一般的な内部ホワイトニングの手順を説明します。

  1. 歯の準備: 最初に、歯科医師は歯の内部にアクセスするために、失活歯に対して適切な準備を行います。通常は、歯の根管治療(神経の除去)が行われます。これにより、歯の内部にアプローチするためのクリーンな空間が作られます。

  2. ホワイトニング剤の挿入: 次に、歯の内部にホワイトニング剤が挿入されます。一般的には、過酸化水素やカルバミド過酸化物などのホワイトニング剤が使用されます。ホワイトニング剤は、歯の内部の変色した組織と反応して色素を分解し、白さを取り戻す効果があります。

  3. 封鎖: ホワイトニング剤が挿入された後、歯を封鎖するために一時的な充填材やセメントが使用されることがあります。これにより、ホワイトニング剤が歯の内部に滞在し、効果的に働くことができます。

  4. 治療の繰り返し: 内部ホワイトニングの場合、通常は複数回の治療セッションが必要です。各セッションの間には数週間から数か月の間隔を置くことがあります。治療の進行と効果を評価しながら、必要な回数の治療を行います。

  5. 最終評価と修正: 内部ホワイトニングの治療が完了した後、歯科医師は最終評価を行います。変色の改善が適切であれば、歯の封鎖が取り外され、必要に応じて歯の修正や再建が行われることもあります。


内部ホワイトニングは、一般的には比較的安全で効果的な治療法ですが、注意点もあります。例えば、ホワイトニング剤が歯の内部に漏れ出すと、周囲の組織に損傷を与える可能性があるため、慎重な処置が必要です。また、内部ホワイトニングは一時的な効果であり、結果の持続性は個人によって異なる場合があります。