「フレイルと口腔機能低下症」セミナーが行われました
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【「フレイルと口腔機能低下症」セミナーが行われました 】
ORTC onlineでは、歯科診療科目に関する様々な内容のセミナー配信が行われております。
今回ご紹介するセミナーは、フリーランス歯科衛生士として活躍している内藤和美先生による「フレイルと口腔機能低下症」についてです。
このセミナーは、
リコール率を上げたいと考えている先生
スタッフにもリコールを意識してほしいと考えている先生
第一線で活躍している歯科衛生士のエッセンスを知りたい
こんな方におすすめのセミナーです。
✔︎ フレイル・プレフレイル・オーラルフレイルについて
✔︎ フレイルの診断基準について
✔︎ 口腔機能低下症について
これら3つを理解することができます。
フレイル・プレフレイル・オーラルフレイルについて
皆さんはフレイル・プレフレイル・オーラルフレイルの3つを説明することができますか?
患者さまの様子を見て、「この方はフレイルの状態だな」などと判断できると、診療室での危険を防止することや、患者さまに一言アドバイスをすることができます。
✔︎ フレイル
前虚弱の状態。健康な状態から軽度な衰えの状態
✔︎ オーラルフレイル
初期時白斑(ホワイトスポットと呼ばれることもある。白斑は生まれつきのものもある。) 褐色化
フレイルの診断基準
フレイルの診断基準は以下の通りです。
✔︎ 力が弱くなった(握力の低下)
✔︎ 歩行速度の低下
✔︎ 活動低下
✔︎ 疲労感の増加
✔︎ 体重低下
このような状態になると、歯科医院へ通院できる方は約1割にまで減少してしまうと言われています。皆さんの身近な高齢者の患者さまが来院された際には、普段の生活の中で困りごとがないか確認しましょう。
口腔機能低下症について
口腔機能低下症は口腔機能の低下が顕著にみられる状態のことです。加齢、疾患や障害などにより口腔の機能が複合的に低下している状態が続くと、咬合力の低下・舌機能などが低下し、お食事が十分にできなくなります。そうなると、サルコペニアや身体的フレイル・栄養障害などへ陥ってしまいます。
口腔機能低下症とオーラルフレイルの違いについてですが、口腔機能低下症は疾患名であり、オーラルフレイルは口腔に関する環境・機能の低下、その他社会性・精神的・身体的な低下などにより食習慣の環境悪化のリスクが高まる段階のことですので、全く別物です。
間違えないようにしましょう。
平成28年度厚生労働省の歯科疾患実態調査による口腔内の困りごと・口腔機能の問題は以下の通りでした。
フレイルと口腔機能低下症のまとめ
患者さまの口腔内に関する衰えは、私たち歯科医療従事者がいち早く気づき、患者さまに伝えることで様々なトラブルを予防することができます。
普段から患者さまをよく観察し、コミュニケーションを大切にしながら関わっていきましょう。
以下に、フレイルと口腔機能低下症について詳しく説明します。
フレイル(Frailty):
フレイルは、高齢者の身体的な脆弱性や機能低下を指す医学的な用語です。主な特徴としては次のような点が挙げられます:
筋力低下: 筋肉量や筋力が減少し、身体のパフォーマンスが低下します。
体重減少: 体重の減少や栄養状態の悪化が見られます。
活動制限: 身体的な活動が制限され、日常生活動作の遂行が困難になることがあります。
フレイルは、高齢者の健康リスクや要介護度の予測に役立つ指標とされています。
口腔機能低下症(Oral Frailty):
口腔機能低下症は、高齢者における口腔機能の低下を指す概念です。口腔機能には、咀嚼、飲み込み、発音、口の清潔維持などが含まれます。口腔機能低下症の主な特徴は次のとおりです:
咀嚼や飲み込みの困難: 咀嚼力や飲み込み機能の低下により、食事や液体の摂取が困難になります。
発音の困難: 舌や口唇の筋力低下により、正確な発音が難しくなることがあります。
口の清潔維持の困難: 口腔内の清潔状態を保つことが難しくなり、口臭や歯周病のリスクが高まります。
口腔機能低下症は、食事摂取やコミュニケーションに重大な影響を与えることから、高齢者の生活の質を低下させる要因となります。
フレイルと口腔機能低下症は、高齢者の健康状態や生活機能に密接に関連しています。口腔機能低下症はフレイルの一因となることもあります。口腔ケアや栄養管理、適切なリハビリテーションなどを通じて、これらの状態の予防や改善に取り組むことが重要です。定期的な口腔検診や口腔リハビリテーションプログラムの活用も推奨されます。